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ハクソー・リッジ



ハクソー・リッジは見る前からとても楽しみにしていた。武器を持たずに激戦地沖縄で75人も救出した兵士がいて、それが実話で、そして監督があのメル・ギブソン!前監督作品「アポカリプト」を見たときは驚愕してほとんど口をあんぐり開けっ放しだった。メル・ギブソンて見た目や世間での噂と違い高い知性の持ち主なんだと感心した私。

ヴァージニアの田舎で育ったデズモンド(わたしを離さないでの演技が印象的だったアンドリュー・ガーフィールド)は、第一次世界大戦で戦友をなくし心に深い傷を負ったアル中の父親(あのマトリックスのスミス役だったヴィンス・ヴォーンーいつ見てもスミスとしか思われないのが気の毒だが熱演)と母親、弟と暮らしている。事故にあった少年の動脈を自分のベルトで止めて助けたデズモンドは、少年が運ばれた病院で美しい看護婦のドロシーと出会い恋に落ちる。医者になりたかったが家庭の事情で医者にはなれなかったデズモンド。衛生兵を希望して陸軍に志願する。

陸軍に入り厳しい訓練を受け、ライフルの訓練にさしかかったとき、ひとりライフルを手に取らないデズモンドがいた。どうしてライフルを取らないと軍曹に問われ、武器には触れられないんです。と答えるデズモンド。自分の信仰に基づき「汝殺すなかれ」という十戒を守っているのである。驚愕する軍曹や他の兵士達を尻目に自分の信念を貫き通すデズモンド。仲間達にはぼこぼこに殴られ除隊を勧められ、休暇の時に結婚式をドロシーとあげることになっていたのにライフルの訓練を受けないことを理由に、休暇は取り下げられ、独房に入れられ、軍紀に従わないと軍法会義にかけられる。

この軍法会議の場面ではやはりアメリカは民主主義の国なのだと感心させられた。

従軍することを認められ、沖縄に赴くデズモンド。真新しい制服の他の仲間達と沖縄に着いて、まだ元気いっぱいの彼らの前に先発隊の兵士達が戻って来る。傷つき、血と埃にまみれた兵士達とぼろぼろになった死体がトラックで帰って来る。初めて戦争の現実を知り表情が変わってしまうデズモンド達。ここのシーンがとてもよかった。

ハクソー(のこぎり)と言われる崖を登ると、天皇陛下万歳と叫びながら死にものぐるいで攻撃して来る日本兵。たちまち激しい戦闘シーンに突入する。この戦闘シーンは痛そうだったら怖いなと思っていたのだが、あまりの激しさとリアルさにもうぽかんと口を開けているばかりでこわいとか痛いとかはとっくにぶっ飛んでいた!白旗を上げながら塹壕や洞窟から出てきていきなり手榴弾を投げつける日本兵や、火炎放射器を使うアメリカ兵など、実際この戦闘は最も激しい至近戦だったそうである。

メル・ギブソン監督はほぼCGなしでこのシーンを撮ったそうだ。このシーンだけでもの凄い。

日本では前田高地の闘いと言われ作品の舞台を浦添市が沢山写真を載せて紹介してくれている。(現地を巡るツアーもあるようで是非行ってみたい)
http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2017052900033/

それはなんだ、ブラジャーかと、陸軍の訓練の時、笑われたデズモンドがしたもやい結びは両足を通して崖から人間を下ろすためのもの。デズモンドは危機の時のやり方を知っていたのだ。最後たったひとりハクソーに残り、傷ついた兵士達を助け崖から下ろすデズモンド。

この映画が見た人の心を揺さぶるのは、自分の信念を貫くことがどれだけの勇気を必要としどれだけ尊いことかを教えてくれるから。そしてその勇気を見せてくれたデズモンド・ドスは実在の人物なのである。

今の時代に、この映画を作った人たちに心から敬意を表します。

そして自分の信念を貫いたデズモンド・ドスは肉を食べないベジタリアンなのである!

必見!!

ハクソー・リッジ公式サイト

デズモンド・ドスが1995年に沖縄を訪れていたときの琉球新報の記事ーこちらもとても興味深い。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-521541.html


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by habezo | 2017-06-30 10:14 | 映画 | Trackback | Comments(0)