2018年 07月 24日
マルクス・エンゲルス
副島隆彦先生は時々逆ギレしたりする困った人だが、映画のチョイスには並々ならぬ切れを見せてくれる。その副島先生が3回にもわたって映画評を書かれた「マルクス・エンゲルス」絶対見ようと思っていた。そして、当然私の住む町のへんこのおじさんが映画館主の映画館で上映された。ちなみにこの映画館では最近猫だけでなく犬までが映画館にいます、、、、、
暑い暑い37度とか38度とかある日、一生懸命自転車を漕いで映画館まで行きました。汗びっしょりでも映画館はクーラーが効いていて涼しかった。夏バテしないように長袖を着ていました。
弱冠26歳のカール・マルクスは貴族の妻と娘がいて、文筆で生活しているが生活は当然ながら厳しい。そのマルクスがフランスで運命の再会を果たした相手がフリードリヒ・エンゲルス。家業の繊維業があり裕福な「ブルジョワ」である。
このマルクスを好演した俳優のアウグスト・ディールは何かで見たと思ったが「ソルト」でアンジョリーナ・ジョリーと共演していて、アンジョリーナ・ジョリーの優しい恋人役を演じていた。そしてエンゲルスを演じたシュテファン・コナルスケはなかなかのイケメンで見ていてとても魅力的この人の次回作は楽しみである。
映画で驚いたのが、マルクス、エンゲルス、彼らの同志、マルクスの妻などが英語、フランス語、ドイツ語と、言語をミックスしながら会話したり、論争したりを楽々とこなしていたこと。この当時の知識人というのはそういうハイレベルだったのだろう。
その当時、新聞や出版物は社会に大きな影響力を持っていて、だからこそ「共産党宣言」を出版するためにマルクス、エンゲルスは心血をそそぐのである。
「危険思想」のマルクスは国家に睨まれて、24時間以内にフランスから退出しろと言われ、出版もままならず、生活は困窮する。そのマルクスをエンゲルスは経済面でも助けた。お互いの立場を超えて、それぞれの理念を尊重しあい、刺激を受けて成長の糧にするマルクスとエンゲルスの男の友情がとても良かった。
それとこの映画を監督したしたラウル・ペックという人。なんでもハイチの文化大臣までしたそうだ。こんな映画を作る映画監督が文化大臣だなんてハイチはナイスな国なんだな。びっくりしたよ。
映画では産業革命後の欧米が丁寧に描かれていて実に興味深かった。利益を出して競争に勝つために資本家がしていること=安い労働力を得る=子供や移民を使う=現代も全く同じ。その事実を思うと呆然とする。
共産主義は今こそホットである。共産主義は決して敗北したのではない。共産主義を独裁政治にすり替える人間の愚かさが敗北しただけである。
世界の富の大部分がごく一部の支配者層に独占されている今、今こそが一番革命に似合っている。しかし、革命は多分静かに水面下で進むであろう。モノを持つこと、人間を支配することが喜びではなく、様々なかたちで生きる喜びを求める人々が少しずつ増えることによって。
ラスト、ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリングストーン」が流れて驚いた。でもこの歌詞はこの映画にピッタリ。監督やるな〜。
1800年代の建物や衣装や家具やそしてワインやウィスキーを飲むグラスまでが、当時の雰囲気そのままで実に魅力的。20世紀に最も影響を与えた思想家で一位に輝いたカール・マルクスを知りたい人は必見!!
マルクス・エンゲルス公式サイト
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by habezo
| 2018-07-24 14:06
| 映画
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