2008年 02月 13日
ラスト、コーション
アン・リーはとても好きな監督のひとりだ。最初に見た映画『ウェディング・バンケット』では繊細な映画作りとアン・リーという名前からしばらくの間女性監督だとばかり思っていた。『ブロークバック・マウンテン』では1ヶ月ほど映画を見た余韻で呆然として過ごした。
さて、そのアン・リー監督のラスト、コーション。日本占領下の上海が舞台である。傀儡政権下特務機関の顔のイーとふとしたことから抗日運動に身を投じることになった女子学生だったワン・チアチーの運命をフィルムノワールそのままに実に魅力的に見せてくれてラストまで息をつかせない。
イーを演じるトニー・レオンは冷酷な男を演じながらもふとみせる翳りある表情が、あの悲情城市でうっとりするほど可愛かった文清を思わせてやはり素敵だ。新人のタン・ウェイ(きれいな足!)はインタビューで演じたワンがうらやましい!と言い切るほど見事にワン・チアチーになりきっている。
日本料理屋でイーのためにワン・チアチーが天涯歌女を歌い踊るシーンが切ないまでに美しい。
西洋人には決して描くことの出来ない世界を映像にして見せて、アン・リー監督は今回も東洋人としての感性の物凄さを教えてくれた。必見の映画。
ラスト、コーション公式サイト
http://www.wisepolicy.com/lust_caution/
by habezo
| 2008-02-13 12:30
| 映画
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