2008年 09月 30日
世襲制
それで以前ビデオで見た小津安二郎の映画を思い出していた。題名もなにもかも忘れたんだけれど、本宅と別宅を行ったりきたりして別宅で亡くなってしまう男の話だった。その男には別宅に年頃の娘がいた。その娘が母親に言うセリフ。
「おかあちゃん、おとうちゃんおとうちゃんと言うけどあのひとほんとにうちのおとうちゃんやの?」
母親に軽くいなされた娘は
「まっ誰がおとうちゃんでもいいか」
と納得するのである。それと
「おとうちゃんがこんなに早く死んでしまうんやったら、ミンクのストールをはようこおてもおてたらよかったなあ」
いやあクール。素敵ですね。小津は日本には絶対生息していない素晴らしい女性をたくさん描いた監督である。彼が映したような余計なもののないすっきりと美しい家は今はもうない。
しかし、世界恐慌突入なのにジュニアだのなんだのと呆けてTVを見ているべたべたウエット日本人には世襲はぴったりむいているなあ。
by habezo
| 2008-09-30 11:35
| 政治
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